冬の訪れを告げる、カニ漁解禁!

このズワイガニ漁は、毎年11月6日午前零時に、富山県から島根県にかけての日本海沖で解禁され、初物を目指して各港から漁船が出漁します。6日のうちに競りにかけられ、翌7日からはアルビスの店頭にも並んでいます。殻が柔らかいこと、身がぎっしり詰まってふっくらしていること、そして、プリプリした歯ごたえとやわらかな甘みがあり、カニ味噌がタップリ詰まっていること。そんな極上のズワイガニを求めて、石川県加賀市の橋立漁港へ行ってきました。
沖から帰る船を、港の女たちが待つ。

みずみずしい薄紅色をしたズワイガニ。足が動いてる活きの良いうちに、石川県で水揚げされたことを証明する青色のタグが付けられ、雄雌ごとに仕分けされたトロ箱が手際よく並べられていきます。温泉街が近いこともあって、競りにはホテルや旅館向けのカニを求める地元の鮮魚店も多く参加しているのですが、この時を待ちわびた仲買人たちの品定めが始まると、それまで静かだった港がいっきに活気づくのですね。午後6時、競りの開始。独特の用語が飛び交い、指の動きで交渉する光景に引き込まれてしまいました。
金沢人の大好物、季節限定の宝石箱。

香箱ガニは、雄(オス)のズワイガニよりもかなり小ぶりで、甲羅の幅も半分ほど。見た目は決して華やかではありませんが、お腹に抱くプチプチした食感の「外子」と、甲羅の中にたっぷり詰まった赤い「内子」が絶品で、何とも言えない濃厚な味わいなのです。雄と比べて見劣りするため、県外からの観光客が口にする機会は少なかったようですが、実際に香箱ガニを口にした観光客の間でその美味しさと値段の安さが評判になり、近年では北陸観光の目玉として地域の魅力アップにもつながっているとのこと。

食べ方としては、塩ゆでしたものをそのままいただくのが一般的ですが、金沢のおでん屋さんなどでは、カニの殻に身や内子、ミソを詰めて蒸して、おでんのだしで煮た「カニ面」も人気が高いようですね。カニ漁の解禁期間が短いのはちょっと残念ですが、限られた旬の時期だからこそ、新しいレシピが生まれたり、もっと手軽に食べられるようになれば、冬の楽しみがますます増えそうですね。
-
バックナンバー一覧
- Vol.6
フルーツみたいなトマト。 - Vol.5
海のサファイア。 - Vol.4
北陸は、冬に行け! - Vol.3
武士のカレイ。 - Vol.2
夏の畑でとれるスイーツ。 - Vol.1
雪の下で育った玉ねぎを、夏に食す。
- Vol.6